2009年8月2日。
ウィーン郊外のベートーベンゆかりの地、ハイリゲンシュタットへ。
そのあとは、クリムトやシーレの絵のある美術館へ行きます。
************************************************
7時起床。
朝食を食べて、バスでOttakringへ。
OyyakringからHondelskai行きのSバーンでHeiligenstadtへ向かう。10分ほどで到着。
そこからバスで5分ほどのArmbrustergasseで下車。
ちょっとうろうろとしていると、教会の鐘が鳴り始めた。
昔、ベートーベンが散歩した小径に向かう途中だったけれど、
中に入るとちょうど日曜の朝のお祈りが始まり、うっかり参加してしまった。
賛美歌を歌い、神父さんのありがたい話(ドイツ語なので全くわからず)を聞く。
最後、まわりの人たちと握手をする。
隣や前にいた人たちが握手してくれた。
気付いたら始まってから1時間近く経っていた。
***
そしてバス停のあったArmbrustergasseを10分ほど北へ歩き、Beethovengangへ。
ベートーベンが交響曲の着想を得たというシューライバーという小川沿いのこの道で、私もとある構想を練ることにする。
道は緑に囲まれていて気持ちがいい。
地元の人がときどき散歩やランニングで通り過ぎる程度で空いている。
しばらく木に囲まれてのんびり。
1時間ぐらいラクガキなどしていたら、ベートーベン並のすてきな着想(?)が得られたので元来た道を戻る。
途中ベートーベン遺書の家に寄り、ArmbrustergasseからKahlenberg行きのバスに乗る。
Kahlenbergは小高い丘の上で、ウィーンの街が一望できるらしい☆
↓これは遺書の家の裏庭。
***
20分ぐらいバスで丘をのぼるとKahlenbergに到着。
山や畑や川、ウィーンの街が見渡せてとても眺めがいい!
オープンカフェで景色を見ながらお昼ごはん。
トマトやパプリカとチーズのサンドに、アイスカフェラテ。
向かいのカフェでは入り口でテノール歌手が歌っている。
下山後は、憧れのクリムトとシーレの絵を見に、LEOPOLD MUSEUMへ向かいます。
***
バス、トラムと地下鉄を乗り継いで16時前ぐらいにLEOPOLD MUSEUMへ。
クリムトにたどり着く前に、昔のウィーンの街の写真や絵が展示されている部屋を見る。
時代をたどって展示をずーっと奥まで歩いて見ていくと、部屋のつきあたりに大きな窓があって、「これが今のウィーンです」という粋な演出。
窓の向こうに広がる、今日この瞬間のウィーンの景色が1枚の大きな絵みたいに見える。
そしてエゴン・シーレ。
家や街、机の上を描いた絵がとても良かった。
人物もいいけれど、こういう無機質なものがあのタッチで描かれているのがとても好き!
シーレは、28歳でインフルエンザで亡くなったらしい。
若い感じがするなぁとは思っていたけれど、私が今まで生きてきたのと同じぐらいの時間でこんな作品を・・・としみじみしてしまった。
そしてクリムトの”Death and Life”という天使と死神のような絵。
色づかいも洋服の模様もとても好きで、ずっと見ていたいぐらいだった。
なんだか感想がどれもこれも抽象的で美術界の彦摩呂がいたら怒られてしまいそうだけれど、
本当に、無理に言葉にするのは野暮だと思うぐらい素敵だったので、もし機会があれば、見てみてください。
ミュージアムショップで画集やポストカードを選んでいると、もう5時前。
本当はここに閉館までゆっくりいるつもりだったけど、他のクリムトの絵も見たくなったので、急遽”Belvedere(オーストリア美術館)”にも行くことに。
6時閉館なので急がないと・・・!場所も知らないし・・・!ということであせりつつ落ち着いて路線図を見る。
D番のトラムなら1本で行けることが判明。
何分ぐらいかかるかはわからなかったけれど、とりあえず行ってみる。
トラム乗り場に着くと、幸いすぐにトラムが来た。
そしてSchloss Belvedereで下車。
トラムを降りるとすぐ左にベルベデーレ宮殿の屋根が見えた。
これなら間に合う!なんとか30分は見れそう。
しばらく歩いて美術館入り口に到着。
階段をのぼって少し歩くと、クリムトの”The Kiss”の絵があった。
これを見たいがために焦っていたので、見つけたときはルーベンスを見たネロみたいな気持ちになってしまった。
とてもきれい。
ずいぶん長い間見てしまった。
シーレの描いた大きな油絵もあった。
シーレは鉛筆で描いたやつのほうが好きだなぁ。
ベルベデーレには他にも、世界史の教科書に載っているナポレオンの肖像画など、昔の油絵もたくさん展示されていた。
クリムトを見すぎて、こっちは1秒ぐらいしか見れなかった。
間に合ってよかったなぁ・・・。
これでウィーンの日々を悔いなくしめくくれる・・・。
そして再びトラムに乗り帰途につく。
20時半、宿へ戻る。
***
もともと行きたかったチェコとスロベニアの間にあるという理由で行くことにしたウィーン。
3日間も、持て余すかなぁと思っていたけれど、とても充実していた3日間だった!
来てよかったなぁ。
ちなみにウィーンでいちばん良かった絵は、クリムトの”Death and Life”。
ポストカードも画集も買ったけれど、やっぱり本物は比べものにならない。
できればもう1回ぐらい見られるといいなぁ・・・。
絶対またウィーンへ来よう!!
— 8日目 ウィーンからスロベニア・ブレッドへに続く。 —
→ 「チェコ・オーストリア・スロベニアの旅」をはじめから読む方はこちら。
« 一瞬も一生も美しく。 映画「おとうと」。 »