イラストレーターamycco.のブログです。

「北斎 富士を描く」展。

IMG_33812.jpg

守山の佐川美術館に、「冨嶽三十六景と富嶽百景 北斎 富士を描く」という展示を見に行ってきました。
大きな富士から小さく見える富士まで。富士山の絵ばかり。
小さく描かれた富士であっても、見る人の目は、あっという間に画面の中の富士山をとらえることができます。
視線の動きを計算しつくした見事な構図のなせる業なのですが、うーん、すごいです。
私はさっぱり計算ができない人間なので、ただただ感心してしまいます・・・。
「神奈川沖浪裏」(下の写真の波のほう)なんて、こんなにダイナミックに海が描かれていながらも、奥にちいさく描かれた富士山はどっしりとした存在感を失っていません。
IMG_3389.jpg

大きな大きな、躍動感を持った波と、静かで何にも動じない強さを持った富士山。
まずこの大きな波に目を奪われ、この数秒後に波が覆いかぶさるであろうところに自然に視線を移すと、そこには、静かに腰を下ろしている富士山。
その視線の移動によって、すこしも動かないはずのこの絵が、まるでアニメーションのように頭の中で動き出すフシギ。
あぁー、何回でも見てしまうなぁー!
富士山や、それを取り囲む村々、そこに暮らす人々、波のうねりや水しぶき、静かに降り積もる雪のやわらかさ、そして目に見えないはずの風までが、活き活きと描かれていて、見ごたえたっぷりでした。
風に至っては、ピューッという音までもが耳元で聞こえるような気がしました。あぁ・・・すごいな。
中目黒とか、原宿って昔はほんとに田舎だったんだなぁー、とか、歴史に興味がある人にとってもたのしい展示だと思います。
冨嶽三十六景も、富嶽百景も、70歳を超えてからの作品だそうで・・・、あんな細かい絵、老眼はダイジョウブだったのかな・・・と、いらん心配してしまいました。
70年間、生きてきて、いろんなものを見て、つくり続けたからこその説得力なのでしょう。
10年ぐらいでは何も分からなくても、思うようなものができなくても、あたりまえだなぁ。
滋賀っ子としては、次は広重の近江八景も見に行きたい!
大津市歴史博物館の常設展示室にあるみたいなので、近々行こうと思います。

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